ガルシア=マルケス『百年の孤独』

「マコンド」という町ができてから、滅びるまでの歴史が描かれた小説。最初は原始的な町だったが、それから政治の波が押し寄せ、反乱は紛争、虐殺、資本主義的な経済が町に訪れる。その中で、町の創始者であるブエンディーアの一族がたどっていくとても奇妙な歴史が、時に幻想的に、時にリアリスティックに描かれている。

久しぶりに、読書にはまってしまった。私は、やるせない話や、無常観を感じるような作品がとても好きなのだと、改めて思った。長大な歴史の中で、あらゆる努力が徒労に終わるのは残酷に見えるけれど、結局あらゆることは意味などなく生じては消えていくのであって、すべて不条理であるとも言える。

読むのに時間がかかったけれど、少なくとも一度は読み返したいと思った。終焉を知ったうえで読むと、新たな発見もあるだろう。あと、慣れないし似ている名前ばっかりで、時に混乱したので、理解せずに読み進めてしまったところもあるに違いない。